多様性ってなんで大事?何がいいの?

皆さん、こんにちは。サイオステクノロジーGluegentサービスラインのジャレド・ウォレスです。近年なんとなく当たり前のように「多様性が良いこと」という認識が世間の時流になってきているのでしょう。しかし、実際多様性とは一体どういうことなのか、何のメリットを期待できるのかがまだ曖昧で把握しづらいかと思います。そこに前回の記事外国人から見た「日本で働く」ということの続きに、本記事では多様性とそのメリットについて説明していきたいと思います!

多様性とは

まず、本記事で話す「多様性」という単語ですが、皆さんはどういうことを示していると思うでしょうか?すぐに考えつくのは国籍や性別の面だろうと思いますが、他にも年齢、文化、専門分野など沢山存在します。この多様性の種類によって組織の問題に対する観点が多角的になるため、国籍や性別と同じぐらい重視しておかないといけません。

その他には、表面に見えない「認知」の多様性も存在します。ハーヴァードビジネスレビュー様の研究によると、ビジネスチームの問題解決の成果は人種や年齢など、一般的な多様性の因子より「認知多様性」、つまり個人の情報処理方法と観点の方が相関性が強い傾向が見られます。もう少し分かりやすくいうと、問題解決の際、取り組み方が増えれば増えるほど成果がでるという現象です。また、認知多様性は他の多様性の種類文化や専門分野に関係が存在する可能性がありますが、その因子から予測することはできず、直接の関係は持っていないそうです。同じ環境で育った双子でも認知が異なることが一般的にあるそうです。

日本では多様性を考慮する際に一番気にされているのは性別かもしれませんが、ひとつの種類のみにこだわってしまうとこれから説明するメリットの効果が薄くなります。

どんなベネフィットがあるの?

研究で証明されている一番明らかな価値はやはりビジネス決断の意思決定でしょう。ビジネス決断はビジネスパフォーマンスへの影響力が高いと言われていますが、一体どういうことでしょうか。研究や会社によって定義が違いますが、多くあるのは採用、プロジェクトプランニングと優先順位、ポリシー変更、人的リソース割り当てなど、マネージメントとオペレーションの活動です。このようなビジネス決断は多くの人に関わる分、正しい決断にたどり着くためにはグループで行うことが望ましいとされています。株式会社Cloverpopのビジネス決断ソフトの分析によりますと、66%の確率でチームは個人より正しいビジネス決断に至っています。

しかし、チームごとに「可能性」を見つける能力が異なります。ほとんどの場合決断は有り無しといった単純なものではないため、多くの可能性を見分けることができる創作力の高いチームが有利でしょう。ここまで説明すると皆さんはもう推測できると思いますが、ダイバーシティ因子の多いチームは比べて多くの可能性を想像することができ、より正しく決断できるとされています。同じCloverpopのデーターで、良いビジネス決断達成率はすべて男性のチームでは58%、性別が多様なチームでは73%、性別と年齢が多様なチームでは80%、 性別と年齢と領域が多様なチームでは87%でした。

多様性がある状態が最初の一歩

では、多様性を重視しながら採用を行い、ダイバーシティのある環境ができた時点でミッションコンプリートでしょうか?実は成果がでるまでにまだ足りません。社内や意思決定のグループの構成にいくらダイバーシティがあっても、その多様性を活かすには多様な視点と認知から生み出される意見を意思決定のプロセスに組み込まなければなりません。これが業界・ビジネス文化ごとに方法が異なり、低いハードルではありません。しかし、せっかく他人と違うパースペクティブを持っているのに静かに聞いているだけなのは非常にもったいないです。せっかくの多様性が何の効果も発揮できません。したがって、多様性を思い切り活かしたい会社には適切な意見共有のできる環境を作ったり、意志決定プロセスを見直したりする必要があります。

終わりに

以上、多様性の捉え方とメリットについてご紹介しました。皆様、いかがでしょうか。想定したイメージと少し違ったかもしれませんが、なかなか興味深い話かと思います。まだまだスローペースではありますが、多様性の浸透はゆっくりと確実に進んでいっているように感じます。そうした多様性のある将来においては世の中の課題解決に様々なアイディアが実行されていきますので、少しわくわくしますね。

ジャレド・ウォレス
Jared Wallace