5分でわかる「インポスター症候群」

こんにちは、サイオステクノロジーGluegentサービスラインのジャレド・ウォレスです。突然ですが、皆さんは自分の仕事や活躍分野で客観的に何かを達成できたにもかかわらず、それがたまたまだったと思い込んだり、肯定できなかったりしたことがありませんか?海外では最近話題に上がっていますが、こちらは「インポスター症候群(英:imposter syndrome)」と呼ばれており、一般的に社会的に成功した人々に多く見られる現象だそうです。実は私も経験することもあり、もっと多くの方にインポスター症候群について知っていただくため、簡単に紹介させて頂ければと思います。

インポスター症候群とは

ひとまず言っておきたいのは、インポスター症候群は精神障害と認識されておらず、心理学的な現象と思われているということです。従って、インポスター症候群を経験したからといって自分がおかしいとかメンタルが弱いというわけではありません。逆にいくら健康な方でも経験する可能性があるとも言えます。
では、インポスター症候群の正体は一体なんでしょうか。簡単にいうと、インポスター症候群は「自分の達成が内面的に認められない」と「自分が自分のことや達成について人々を騙していると感じる」、この2つでできていると考えられています。前者は一見わかりやすいですが実は少し複雑です。自分の成果を客観的に認められないだけではなく、その成果が自分の本当の能力を正確に反映していないという区別が重要になります。この思いをきっかけに、後者の「人を騙していると感じる」気持ちと罪悪感が生まれる、といった関係です。

IT業界との関係

インポスター症候群は特定の仕事や業界に限った現象ではないですが、海外ではIT業界、特に開発者に起こりやすいのではないか、という仮説があります。それは、IT業界にはウェブアプリ、ソフト開発、ネットワーク、インフラ、DevOps、UI/UXなど様々な分野があり、一人の開発者としては特定の分野の限られた範囲を触れることはあっても、根本的なところまでは関与することがないからではないかといわれています。言い換えますと、IT開発の場合、「自分の知識が浅いこと」が他の業界の仕事と比べて明確であるかもしれません。それに、IT業界では新しい分野と技術が常に世に生み出されていることもあり、一回知識を身につけてもその知識が比較的早期に有効ではなくなったりします。こうして開発者にはインポスター症候群が起こりやすい可能性があると言われています。

インポスター症候群の対策

さて、インポスター症候群は把握しましたが、具体的にどういった対策方法があるでしょうか。自分で自分のインポスター症候群を解決しようとする場合、人のメンタルによく関わる対策方法ではありますが、とりあえず認識することが重要と思われています。自分か他人がインポスター症候群に当たるような気持ちになった時には、その思考を一旦止め、これはインポスター症候群ではないか?と疑うと良いかもしれません。私の場合にはこれが一番気持ちを和らげたので個人的におすすめです。他に自分でできることは自分の達成や成長を記録することが効果的だそうです。ポイントは、どうせ比べてしまうなら、他人ではなく、過去の自分と比べた方が自分の達成と価値に気づくことができ、インポスター症候群を防ぐことができるということです。
また、管理監督者の場合、開発チームの環境をよりオープンで他人との関わりが多い環境にするとインポスター症候群を防止すると考えられています。開発者同士で相談し合ったり個人が抱えている課題を表に出したりする環境ほど自分の知識が他人のためになったり、他の開発者も知らないことが多い事実を実感するチャンスが多くなることがポイントです。
以上、5分でわかるインポスター症候群でした。いかがでしょうか。あまり触れないトピックではありましたが、少しでも面白がっていただいて、インポスター症候群について知ってもらえたら幸いです。最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。
Jared Wallace