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アメリカ人からみた日本の大学と入学制度

  • 雑記
アメリカ人からみた日本の大学と入学制度

こんにちは、サイオステクノロジーGluegentサービスラインのジャレド・ウォレスです。今週は受験の時期を機に「アメリカ人からみた」シリーズで日本の受験と大学の制度について話したいと思います。その名の通り、アメリカ人の視点からみてその制度のあるところをどう思うのか、アメリカと比べながら個人的に思う長所と短所を考えたいと思います。

入学選抜方法の話

私が把握している限りでは選抜方法は一般選抜型(学力試験)、推薦型、総合型と、概ねこの3つがあります。アメリカでは大学や特別な状況によって推薦制度や、スポーツリクルーティングの大学からの招待も存在しますが、ほとんどの入学は書類選抜で決まります。ということは、日本のような入学試験に基づいての選抜方法は存在しないことになります。 もう少し詳しく説明していきますと、日本では入学共通テストと各大学における二次試験があるそうですが、アメリカではSATとACTと呼ばれている、日本の共通テストのような、全国の大学に利用されている試験が2つあります。しかし、日本の共通テストとの違いとしては、アメリカの大学はSATの点数は入学基準の一部だけであり、点数が多かったからと言ってそれだけで必ず入学できるわけではありません。逆に入学基準の中で最も重要ではないかもしれません。また、大学ごとの二次試験もほとんどありません。そのため、アメリカの高校生はほとんど受験勉強をせず、他のことに力を入れることが一般的です。私自身もSATの点数は平均ぐらいでしたが、成績と小論文でワシントン大学に入学できました。 つまり、絶対的ではないですが、日本の大学が学生を成績や入学試験結果で選んでいる一方、アメリカの大学は全体的に送ってきた人生を配慮して選んでいる傾向にあると言えると思います。おそらく、アメリカでは多様性がかなり重要とされているからだと思います。結果として、アメリカの大学は学業にあまり力を入れずとも入学しやすく、日本と比べて楽と言えるでしょう。また、入学試験のスコアがあまり重視されていないことによって、塾などの学校外勉強サービスや商品が比較的人気がない傾向にあります。

大学に入ってから

日本では大学に入るのが大変な分、大学に入ってからは楽な印象です。もちろん、海外でSTEMと呼ばれるエンジニアリングなど、化学や数学が深く関わる分野の教育は日本でも大変だと思いますが、多くの分野はそうでもなく、学生はどちらかというとサークルやアルバイトの方が生活の中心になっている傾向にあります。私も留学生の間に余裕で単位がとれましたし、周りにいた学生たちも同じような状況でした。何が一番大切かというと、「出席」になるでしょう。 一方、アメリカの大学は入学しやすい分、実際の学業が大変です。入門レベルの授業を終えた後の授業はどれもかなり勉強が必要で、良い成績を出して単位をとるには授業時間の1時間あたりに授業外の勉強時間3時間もかかると言われています。ただし、大人数の授業も多いので日本と比べて出席はあまり重視されず、成績に関係ない傾向にあります。また、3年生になり専攻が決まると学業にかける時間が急に倍増したりすることは珍しくありません。日本に例えると、ゼミに入るのが義務になっているみたいでしょうか。専攻によって卒業論文にかなり時間と手間がかかり、私も2ヵ月ほど苦労してぎりぎり書けました。もちろんアメリカでもサークルや部活、アルバイトなどの学業外の活動もやる時間はありますが、日本の大学生と比べて勉強で忙しい傾向にあると思います。

お金の話

日本では、学費や生活費は親が負担し、学生がアルバイトで稼ぐお金は自由に使える「遊ぶためのお金」があるのは一般的かと思いますが、アメリカだとこれはそこそこお金持ちの家庭に限ります。そもそもアメリカでは、実家から通うことが可能なぐらい近くの大学があまりない状況が一般的です。逆に(私みたいに)州内に良いかつ自分が行きたいと思う大学が存在することは珍しいです。残念ながら州内にあるとしても、実家から通うことはあまり現実的ではないことがほとんどです。そのため、アメリカで大学に入学するということは、引っ越して寮や大学近くの賃貸に住むことになり、あまり親が負担できるほどの金額ではありません。学費を比べても気づかないものですが、このように、日本と比べてアメリカの大学の総金額はかなり高いと思います。結果として、学生本人がローンを受けざるをえないことが一般的かと思います。

まとめますと、日本は大学に入学するのが大変で卒業するのが楽な一方、アメリカは入学しやすく卒業するのが大変という印象になります。以上、アメリカ人からみた大学の入学制度でした。

Jared Wallace