◯Webの未来予測の振り返り
Web2.0という言葉の発祥から15年が経とうとしています。
2007年 Radar Networks社の創業者の予測では、2010年からはWeb3.0時代で、2020年より先はWeb4.0の時代になるだろうと言われていました。
しかし現実は、Web3.0にさえ到達できていません。
Google, Facebook, Twitter などのサービス1つ1つに、個人の代替であるアカウントを持たなければならなかったのが、Web3.0ではサービスによってアカウントがコントロールされるのではなく、完全にプライバシーが保護された個人情報を個人がコントロールしてシームレスに各サービスを横断できるようになると予測されていました。
日本国内に限られている住基ネットさえままならない現状を見るにゴールへの道のりは果てしなく遠く感じます。
キャッシュレスの時代とも言われる昨今ですが、各サービスごとにカードやICが必要なのは現実世界もWeb2.0と変わらないと言えます。
シームレスにサービスを横断する助力としては弊社にもGluegent Gateがありますが、Web3.0ではそういった認証ゲートウェイとも違っています。Webのインターフェースやネットワークインフラ自体に普遍的に備えられた形です。
そういったわけで私達はまだしばらくWeb2.0の今の世の中でよりよい仕事をしていかなければならなそうです。
2007年 Radar Networks社の創業者の予測では、2010年からはWeb3.0時代で、2020年より先はWeb4.0の時代になるだろうと言われていました。
しかし現実は、Web3.0にさえ到達できていません。
Google, Facebook, Twitter などのサービス1つ1つに、個人の代替であるアカウントを持たなければならなかったのが、Web3.0ではサービスによってアカウントがコントロールされるのではなく、完全にプライバシーが保護された個人情報を個人がコントロールしてシームレスに各サービスを横断できるようになると予測されていました。
日本国内に限られている住基ネットさえままならない現状を見るにゴールへの道のりは果てしなく遠く感じます。
キャッシュレスの時代とも言われる昨今ですが、各サービスごとにカードやICが必要なのは現実世界もWeb2.0と変わらないと言えます。
シームレスにサービスを横断する助力としては弊社にもGluegent Gateがありますが、Web3.0ではそういった認証ゲートウェイとも違っています。Webのインターフェースやネットワークインフラ自体に普遍的に備えられた形です。
そういったわけで私達はまだしばらくWeb2.0の今の世の中でよりよい仕事をしていかなければならなそうです。
◯Web2.0時代のブラウザの進化と衰退
Web上のものを操作できるだけでなくユーザーの設定の選択によって、様々な操作ができるようになりました。ローカルファイルアクセス、カメラ、マイク、位置情報、通知、オフラインコンテンツ、最近はBluetoothやUSBデバイス操作までも、Webブラウザ経由で行えるようになりました。
むしろネイティブアプリケーションを選択せざるを得ないケースを探すほうが難しくなってきています。Officeソフトも凝ったものでなければ、Microsoft Office OnlineやGoogleドキュメント/スプレッドシート/スライドで事足りる様になり、ファイルの共有も添付やダウンロードなどせずともWebブラウザ上で扱えるようになるクラウドストレージでの運用も普通となっています。
そういった背景から今の現実は、Web2.0がようやく浸透し成熟した時代と言えそうです。
しかし古くからある社内システムの運用を余儀なくされ、よりよいアプリケーションやサービスを社内システムに取り入れることが困難な企業も少なくありません。
中には数十年も前のWeb社内利用ルールをそのまま運用していたりというケースがあります。
例えばWebブラウザはNetscape Navigatorしか使ってはいけない…というような古すぎるルールなどはさすがに無いかと思いますが、Internet Explorer(以下、IE)しか使ってはいけないというルールを未だに設けている企業があることをまれに耳にします。
WebブラウザとWebアプリは、より色々なことが行えるように利便性を追求する広げる方向と、プライバシーやセキュリティ確保のための精密性や制限を与える方向の、両軸の更新で進歩しています。
中には数年前まで使えていたブラウザ機能がセキュリティ確保のために廃止となって、Webアプリは新しい仕組みに追随するよう変更されることも少なくありません。またWebアプリ自体がより良くなるために新しいブラウザ機能を取り入れていくことも多いでしょう。それによりどんどんIEと乖離が進みます。
WebサイトやWebアプリが、なんとかIEと最新ブラウザの両方で動作するよう頑張っていても、レガシーコードのために余計にjavascriptでCPUを使ったり、通信データが増えたりする、ファットなものになっていきます。
本来であれば、新しい機能を増やしたり安定性やパフォーマンス向上のアップデートを進められるはずが、IE対応という地道な設計や努力のために遅くなります。
IEは今以上進歩せず細々とセキュリティパッチを続けるだけです。レガシーシステムの面倒をみるだけのものになっています。MicrosoftもIEの開発を止め、Edgeへ舵を切っています。
そして、Windows以外のプラットフォームでも動作する新しいEdgeの開発に以前から注力していましたが、ようやく先日の2020年1月15日にリリースを果たしました。
Chromium ベースの新しい Microsoft Edge をダウンロードする
◯Edgeの出現が示唆するもの
弊社の共有アドレス帳やGluegent Flow Status View等もEdgeで動作して驚いたのを覚えています。
筆者はβ版の頃から数ヶ月使っていましたが大きな問題もなく十分に使えています。
また、ChromeがGoogleアカウントごとのユーザー管理を行えるように、新しいEdgeではMicrosoftアカウントごとのユーザー管理が容易であることも魅力です。
IEからの系譜と継承を完全に断ち切り、Edgeは完全に生まれ変わったといえます。
Visual Studio Codeもそうでしたが、とうとう自社開発なんて小さなプライドをかなぐり捨ててMicrosoftが本気を出してきた、と私はワクワクしています。
海外ではWindows Updateで提供が開始されていますが、日本だけ令和2年4月からとなっています。その理由は確定申告のe-Taxシステムが新しいEdgeで動作するのか不安視されているためで、確定申告で混乱が起きないように配慮されたという事情があるそうです。
さてこれでOSに標準バンドルされるWebブラウザが新しいEdgeとなれば、同等のChromeを敢えてダウンロードする必要性が極端に低くなります。
新しいEdgeに対応したこれまでのEdge拡張に加えて、豊富なChrome拡張もまるごと使えるようになったEdge。Office365を使っている企業や、G Suiteを使っていない人が今後Chromeを選ぶでしょうか。
新しいEdgeの出現は、相手の懐に入って取って成り代わるというMicrosoftのこの大胆な戦略が功を奏して将来ブラウザシェアを大きく塗り替えるスタートとなるのかもしれません。
◯未来への選択
いずれくるIEの終焉。それまで使い続けることに意味を見い出すことは難しいでしょう。
ActiveXコンポーネントを使わざるを得ないIE専用Webアプリしか、会社でWebブラウザは開かないということでもない限り、IE専用Webアプリ以外のすべてを今からChromeやFirefoxやEdgeでの利用に移行しても、やりすぎということはないでしょう。
社内Web環境の改善に向けて次に舵を切るのは…、あなたの番かもしれません。
(クラウド開発部 Kato)