紙やExcel帳票をワークフローシステムへスムーズに移行するためのポイント


最近、稟議書、経費精算書、休暇申請等の様々な帳票を紙やExcelで作成し、社内ワークフローを回しているものの、定型業務の作業効率化やペーパーレス化、内部統制やDX推進への取り組みとして、ワークフローシステムへの移行を検討され始めている企業が増えてきています。



今回、そのような紙・Excel帳票からワークフローシステムへの移行を検討されている企業様が予め注意しておくべき点についてご説明したいと思います。
<2023年3月27日更新>



帳票をワークフローシステムへ移行する際に陥りがちなケース

紙・Excelの帳票や申請書をワークフローシステムへ移行する際に、焦ってしまうことで陥りがちなケースをご紹介します。
  • ワークフローシステムの評価・検証で簡単な帳票レイアウトを利用する
    • よくありがちなのが、簡単そうでシンプルな定型業務の帳票から取り組もうとするケースです。例えば、項目も少なく承認ルートもシンプルな「休日申請」をベースにワークフローシステムの導入評価を行ったとします。その時点では何も問題なくスムーズに検証も終わり、本導入後に項目が多く複雑な承認ルートがある「稟議申請」を作ろうとしたところ、ワークフローシステムの制限が分かり、実現が困難であることが判明してしまいますが、運用開始後のため戻れません。
  • 既存の帳票や申請書をそのままシステム上に載せようとする
    • 紙やExcel帳票を使ったワークフローでは入力欄の他、申請・承認ルートも自由に変更可能です。特に非常に複雑な申請・承認ルートとなっている場合が多く見受けられます。そのような承認ルートをそのままワークフローシステム上で再現しようとすると、設定が複雑となり、メンテナンス負荷も上がってしまいがちです。
  • いきなり全社展開する
    • 焦って全社展開に踏み切ってしまうと、社内からの問い合わせや部署間の調整に時間がかかってしまい、その結果、スムーズな社内展開ができなくなります。
上記のような評価・移行の進め方のままでは、何かと障害も多く、すんなり移行できないのではないかと思います。

帳票からワークフローシステムへの移行をスムーズに進めるためのポイント

数多くのお客様の移行を支援してきた弊社の観点から、以下に移行作業を進めるためのポイントをご説明します。

1. 最もよく使う、または複雑な帳票を検証対象として選定し、評価検証に取り掛かる
できるだけ利用頻度が高いものか、複雑なものをベースに、ワークフローシステムの評価・検証を行うようにします。これにより、ワークフローシステムの制限も早い段階で明確になり、ベンダーからの改善策や回避方法などの情報も得やすく、かつ、対策のための準備時間も確保しやすくなります。

2. 利用中の帳票をそのまま移行しようとせず、項目および承認ルートを整理してからシステムへ導入する
紙・Excel帳票は何かと複雑なレイアウトになりがちですが、その帳票をそのままワークフローシステム上で実現しようとすると大変な労力が掛かってしまうだけでなく、ユーザに不親切な分かりづらい入力画面になってしまう恐れがあります。
そのため、以下の観点で既存の帳票について見直してみましょう。

  • 帳票レイアウトを変更して良いか?
    • 紙・Excel帳票と全く同じレイアウトでなくても問題ない場合、ワークフローシステムに適したレイアウトに変更することを検討します。
  • 1帳票内で異なる入力内容・承認ルートが混じっていないか?
    • 別帳票に分割することができないか検討します。
  • 記入頻度が低い項目はあるか?
    • 廃止するか、入力フォーム項目をフリーテキスト欄に書かせるようにします。
  • 申請・承認ルートを整理できないか?
    • 複雑な分岐ルート等を見直し、代替可能なルートに置き換えます。
3. 運用フローの検証は少人数のメンバーから開始し、PDCAで改善する
上記1,2で作成したワークフローがきちんと運用に乗るかどうかについては、社内での検証・評価が必要です。そのための少数精鋭チームを編成し、しっかりPDCAサイクルを回して改善していきましょう。

いかがだったでしょうか。ある意味、当たり前のことかもしれませんが、まずは現状の整理から開始するほうが遠回りのようで実は近道だったりします。
なお、弊社が提供しているクラウド型ワークフローシステムGluegent Flowは、帳票デザインをHTMLエディタやGoogleドキュメント(Google Workspace版)を利用することで紙の帳票や申請書と同等のレイアウトを再現することができます。

また、利用者も5名からご契約できますので、導入当初は評価検証用ユーザ分で少人数から契約し、評価検証が終わって全社展開する前に全社員分を契約するように柔軟なご利用が可能です。

こちらのページでは、スモールスタートから全社展開に成功された株式会社サンゲツ様の事例をご紹介しています。

紙やExcel帳票のワークフローから1歩前へ進みたい方はぜひお問い合わせください。