クラウドワークフローのメリット〜マスタ管理を外出しにする

Gluegent FlowではGoogleスプレッドシートとの連携が可能です。今回は、データの源泉としてスプレッドシートを利用し、一度作成したモデルを変更することなく、マスタデータを更新する例をご紹介します。

Gluegent FlowとGoogleスプレッドシートの連携

Gluegent Flowは、こちらの記事でご紹介した自動処理により、「スプレッドシートへの出力」をサポートしています。経路の途中経過や決裁の結果等の各項目の情報をスプレッドシートに出力し、データを蓄積していくことができます。今回は、反対にスプレッドシートの情報を入力元としてGluegent Flowが取り込みワークフローのデータの一部として利用する例をご紹介します。

マスタデータの管理
例えば、文房具やオフィス家具を扱う会社は、以下のようなマスタデータを持っているでしょう。
カテゴリ
商品名
単価
文房具
えんぴつ黒 2B
¥90
文房具
漆黒ボールペン黒二本セット
¥200
家具
長机ワイド
¥19,800
家具
五脚椅子ABC-02
¥9,800
※ 実際には、もっと膨大な商品数があると思いますが、ここではシンプルにするために少なくしています。

これらの商品の受注処理をするワークフローを考えた場合、モデル(申請に伴う経路や承認者、項目などを定義した申請の雛形)にこの情報を組み込んでしまうと価格の変動や扱う商品の追加や廃止をするたびに、モデルを変更する必要があります。モデルは経路情報や決裁が可能な役職などを定義しているため、誰でも変更できるものではなく、適切な権限をもつ管理者が変更すべきものです。一方でマスタデータは、別の権限で管理されるべきものです。この例の「単価」や、扱う商品の追加などは申請の経路とは異なる部署で管理されるでしょう。

Gluegent Flowでのスプレッドシートを使ったマスタ管理
Gluegent Flowでは、このような「頻繁には変わらないものの変更される可能性があるデータ」をスプレッドシートに記述しておき、参照させることができます。モデルの管理権限がないユーザでも、スプレッドシートの書き込み権限さえ付与すれば、マスタデータの管理を任せることができます。

Gluegent Flowは起票されるたびに、そのモデルで参照しているスプレッドシートの内容を読み取ります。読み取ったデータを使って、申請時のプルダウンメニューなどで利用できます。申請者すべてが単一のスプレッドシートから取得されるデータを利用するため、価格等の食い違いもありませんし、選択式にすることで表記の揺れも抑えることができます。
前述の例の通り、スプレッドシートを記述します。
master_data_sheets.png
このスプレッドシートを参照するように定義したモデルから作成した申請では、以下のようなプルダウンメニューで選択することができます。
master_data_flow.png

スプレッドシートでマスタ管理をするメリット
このように、Gluegent Flowでは、スプレッドシートにマスタデータの管理を任せ、これを柔軟な形式で表現することができます。また、モデルとマスタデータの管理権限を明確に分けることで、重要なデータを安全に共有、利用することができます。ワークフローの設計やモデルの定義をする担当者ではなく、販売や仕入れの担当者がマスタデータを管理し、値の変更を即座に反映させることができます。マスタデータ管理担当者には、Gluegent Flowの管理権限を与える必要はありません。普段利用しているスプレッドシートの書き込み権限さえ与えれば管理が可能になります。


Gluegent Flowではこのような複雑なデータの持ち方も可能です。膨大なマスタデータを保持していて、クラウドワークフローになかなか踏み込めないというお客様も、是非ご検討いただければと思います。